オフシーズンに何かと話題になる「年俸」ですが、個人事業主であるプロ野球選手に実は「最低保証年俸」があります。
支配下では440万円、育成では240万円
支配下か育成選手かで異なりますが、支配下の選手で440万円、育成で240万円が最低年俸として保証されています。つまり、球団問わず、またどれだけ下位でドラフト指名された選手でも上記の金額はもらえます。
Jリーグの最低年俸
Jリーグにおけるプロ契約にはA,B,Cの3段階があり、それぞれに最低基本年俸が定められています。このうち、A契約における最低基本年俸は460万円とのことです。もしかしたら、プロ野球の最低年俸を意識した金額かもしれません。
1軍の最低保証年俸は1,600万円
さらに、1軍選手の最低保証年俸も定められていて、1,600万円です。元々1,430万円だったようですが、世間的な賃金の上昇やその中で「プロ野球選手」の魅力を考慮して最近増額されたようです。
例を挙げると、元々の年俸が500万円だったとしても、そのシーズンずっと1軍にいれば結果的に1,600万円が支払われるということになります。この場合、差額がシーズン後にまとめて支払われます。
しかし、すべての選手が年間を通して1軍にいるとは限りません。よって、どれだけの日数1軍に登録されていたかを基に、元の年俸との差額が計算されて支払われる仕組みになっています。
1軍最低年俸の満額に必要な日数
1軍の登録日数が年間で150日に達した場合、その年の年俸が1,600万円未満の選手でも1,600万円の年俸が保証されます。仮に30日でも1軍に登録されていた場合
(1,600万円 – 選手の年俸) / 150 × 30
の金額が上乗せされます。たとえば、年俸600万円の選手が30日間1軍に登録されていれば、上記の計算により200万円が上乗せされます。1軍の最低年俸に満たない若手選手からすれば、いかに2軍降格を回避するか、も非常に大切ですね。
大幅な○○%アップ!も実は本当ではない?
2022年だとオリックスの宇田川選手が育成から登録され、大活躍して年俸が大幅アップと報じられています。実際、かなりの金額が上がっていますが、上り幅は元の年俸か、1軍の最低保証年俸の差額が上乗せされた金額をベースに計算しているかで大きく変わります。
この記事でいえば、育成最低保証年俸の240万円スタートからの上り幅としていますね。
年俸は減額制限もある
プロ野球選手は会社員ではなく個人事業主で、成績や貢献度に応じて年俸が大きく変動します。しかし、毎年活躍できる保証はどこにもなく、高額な選手ほどケガをしたり活躍できなかったりすれば一気に年俸が下がるリスクもあります。
そこで、野球協約では年俸の減額制限が定められています。ただし、あくまで選手の同意があればこの制限以上の減額も可能となっています。
- 1億円を超えた年俸では減額幅は40%まで
- 1億円以下の年俸では減額幅は25%まで
選手の同意があれば最終的に減額制限を超えた形で球団に残るケースもありますが、減額制限を超えた場合球団にその選手の保有権がなくなり、他球団とも自由に交渉できます。
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