オフシーズンの契約更改の際、一部の実力のある選手は複数年契約を結ぶことがあります。基本的にプロ野球選手は1年ごとに契約を更新していきますが、複数年契約にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、複数年契約を「同じ年俸・条件での2年以上の契約」として話を進めます。
複数年契約のメリット
選手にとっては、次のシーズンで結果が悪かったりケガでまともに試合に出れなかったりしても翌年以降の契約が保証されていることになります。これは、特に年齢の高いベテラン選手にとっては大きなメリットでしょう。
また、球団からしても特にFA権取得を控えた選手との複数年契約は引き続きその球団でプレーしてもらえる可能性を大きく高めることになります。また、その選手が飛び抜けた活躍をしたとしても、年俸変動制でない限りは年俸を上げる必要がないので、人件費を抑えることができます。
複数年契約のデメリット
一方、選手からするとその年に大きな活躍をしても年俸が据え置きになるため、デメリットといえます。また、性格にもよりますが1年1年勝負ということで必死に野球に取り組めていた選手が、複数年契約になったことで無意識にも油断が生まれ、結果として成績が残せないケースもあります。
球団としても、ケガをしたり成績が残せなかった選手でも年俸を下げることができず、場合によっては「不良債権」と揶揄されることもあります。
複数年契約を拒否する本当の理由
一部の選手は複数年契約を打診されても拒否することがあります。基本的には「毎年勝負のつもりでプレーしたい」といったコメントが並びますが、中にはFA権取得を控え、他球団への移籍も視野に入れているため複数年契約を拒否する場合もあります。
FA権取得が控えているなかで、単年契約にこだわる場合は残念ながら移籍の可能性があると考えておく方が良いでしょう。
年俸変動制の複数年契約も増えている
単年契約と複数年契約のメリットを良いとこどりする形で、年俸は変動制としつつ複数年契約を結ぶケースも増えています。この形であれば、選手は成績に応じて適切な年俸をもらいつつ、契約が保証されることになります。
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