2022年のシーズンオフ、2年連続で優勝を逃したソフトバンクが大型補強を繰り広げ、メディアでも大きく報じられています。
FAで獲得した近藤選手や、ロッテで活躍したオスナ投手を始め60億円規模の補強をしました。現状のプロ野球において、年俸の総額上限等は無く、支配下選手の枠内の中でいくらでもお金をかけることは可能です。
MLBには戦力均衡のための制度がある
一方でMLBでは戦力均衡を目的としたルールが存在します。ざっくりいえば、球団が支払う年俸の総額に対して一定の上限を定め、オーバーした金額に応じて「贅沢税」とMLB機構に納めることになっています。
また、上限をオーバーした場合ドラフトの優先指名権(優先順位)が下がり、新人獲得において不利になるというペナルティがあります。
こうしたルールによって、特定の球団による偏った補強がされないように一定の抑止力となっています。
そもそも戦力均衡をする目的
ファンとして試合を観戦したり、チームを応援する際に「確実に勝つ」と分かっていれば勝利した時の喜びは半減するのではないでしょうか。野球に限らず、プロスポーツという最高峰の世界で真剣勝負で何が起こるか分からないスリルやワクワクの中で勝つからこそ、ファンとしても感動し嬉しいのではないでしょうか。
言い換えると、スポーツがもたらす価値は喜怒哀楽といった感情の振れ幅であり、そのためにはリーグの中で突出したチームを作らないことが大切です。人気という点では突き抜けたチームがあって良いと思いますが、実力においては均衡している状態が好ましいのです。
プレーオフにも通ずる戦力均衡
また、長いシーズンを戦う野球において戦力均衡は非常に重要です。戦力が明らかに高いチームがシーズンの早い段階で優勝を決めてしまえばその分「消化試合」が増えるからです。終盤まで優勝やプレーオフ進出争いが過熱した状態が続くことで、より多くのファンの注目を集め続けることができます。
日本プロ野球における戦力均衡はドラフトくらい
現状のプロ野球では、ソフトバンクのように資金力をあてにしたチーム編成が可能です。ある意味平等なのはドラフトくらいで、1位指名で重複した場合の「くじ引き」や2位指名でシーズン下位のチームが優先権を持つことくらいではないでしょうか。
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