プロ野球選手のセカンドキャリア問題

引退・セカンドキャリア

プロ野球に限らずですが、現役選手としてのキャリアを終えた後の「セカンドキャリア」がよく問題視されます。実力主義の世界でどんなに現役を続けられても40歳くらいまでで、その後の長い人生をどう過ごすか、現役の間にしっかり考えることは難しいでしょう。

多くの選手が引退後に不安を抱える

プロになる多くの選手は学生時代に勉強をほとんどしておらず、現役生活中もビジネスについて学ぶ機会はまずありません。よって、野球以外の仕事で生活していくイメージが沸かず、アンケートでも多くの選手が引退後の生活に不安を抱えているようです。

約7割が引退後の生活に不安、最大要素は「進路」12球団若手186選手にNPBアンケート  - プロ野球 : 日刊スポーツ
日本野球機構(NPB)は27日、選手のセカンドキャリアに関するアンケート結果を発表した。昨秋のみやざきフェニックス・リーグに参加した12球団の選手を対象に実施… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)

競争の激しいプロの世界では、入れ替わりも激しく成績を残せなければいつ戦力外通告を受けてもおかしくありません。セカンドキャリアについて早期に考えた方が良いものの、野球で結果を出すのが最優先であり、漠然とした不安を抱える若手選手が多いのでしょう。

セカンドキャリア問題とは

ざっくりいえば、プロ野球選手が現役引退後どんなキャリアを歩むかが安定しておらず、苦しい生活を強いられる元選手が多いことです。

その背景として、一部の選手を除いて現役生活の延長線上のセカンドキャリアを歩むハードルが非常に高く、いわゆる「キャリアチェンジ」を前提とした成功例が少ないことにあります。「延長線上のキャリア」とはプロ野球界の中で次の仕事をゲットすることです。

まずはプロ野球に関わり続けるセカンドキャリアについてざっと紹介します。

球団の仕事に就く

実績のある選手であるほど、監督やコーチとしてのオファーをもらいやすく、そのままプロ野球界の最前線に残り続けられます。しかし、これはほんの一部のトップ選手に言えることでしょう。それ以外にもスカウトや打撃投手などチーム内の裏方スタッフに転身するケースもあります。

また、チームの中だけでなくフロント側に回るキャリアもあります。具体的には、球団職員として広報や営業などに転身するケースです。仕事内容は変わりますが、ある程度慣れ親しんだ環境で次のスタートを切れます。

解説者や評論家として仕事をもらう

試合中継の放送局や新聞・テレビなどのメディアなどから解説者として仕事をもらう形で、外からプロ野球に関わり続ける場合も多いです。しかし、これもある程度実績を残した選手でないと厳しいでしょう。

実際、すでに引退した先輩がたくさんいて枠が空いていないため、競争率が非常に高いようです。

選手時代の経験を糧に自身に合った仕事を見つける

プロ野球に関わる仕事に就ける選手はほんの一部で、多くの選手は別の進路を選ぶことになります。現役時代にたくさんのお金を稼ぎ、余裕のある選手を除くと以下のような進路が多いでしょう。

会社員として再スタート

プロ野球選手として培った努力する姿勢や根性といった強みは一般の会社員よりも抜きんでたものがあるでしょう。こうした強みを活かして特に営業職で活躍できる元選手は多いはずです。最初は不慣れなパソコン操作などのキャッチアップで苦労するかもしれませんが、慣れてしまえば結果を出せるのではないでしょうか。

また、元プロ野球選手という肩書きだけでも顧客との大きなフックになり、話が弾みやすいでしょう。

起業する元選手も増えている

最近の例だと斎藤佑樹や杉谷拳士など、引退後すぐに起業する方も増えています。プロ野球選手としての知名度を活かしてブランドを作ったり、飲食店を始めるケースが多いのではないでしょうか。

会社員の場合、これまでと全く違う環境の中で馴染む苦労がありますが、起業の場合は自身の実現したいことが明確であればスムーズにスタートを切りやすいでしょう。

実際、冒頭で紹介したNPBのアンケートでは、ここ数年はセカンドキャリアとして「起業・経営者」を考えている選手が多いという結果が出ています。もちろん、現役引退してすぐに経営者として成果を出せるほどビジネスは甘いものではないですが、やりたいことがあれば予め勉強しておくなど準備しておくことが大切ですね。

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