オフシーズンといえば、「自主トレ」の様子がよくメディアで報道されます。時代の変化とともに多様化する自主トレ事情について、いくつかのポイントを解説します。
他球団の選手と一緒に組むことが増えている
一昔前と大きく異なるのは、他球団の選手と一緒に自主トレに行くことが増えていることです。インターネットやSNSの普及によって、カジュアルに他球団の選手と連絡を取れるようになり、親交を深めやすくなっています。
その結果、似たような選手や目標とする選手にお願いして一緒に自主トレを行う選手が増えているのです。
ちなみに、昔であれば他球団の選手と交流することが禁じられていた球団もあるほど、あくまで「敵」として接するのがプロ野球界では普通だったようです。よって、自主トレも同じ球団のなかで主力と若手が一緒に練習するのが普通でした。
自主トレを一般公開している場合も
ファンからすれば、試合だけでなく練習している姿を見たり、どんな練習をしているか勉強したいアマチュア選手もいるのではないでしょうか。ファンサービスの観点も含め、自主トレを一般公開している場合もあります。
ニュースや選手のSNS等をチェックして、足を運んでみるのも楽しいでしょう。
同じトレーナーのもとで、結果的に色々な球団の選手が集まる
近年はトレーニングの理論や手法が発展・多様化し、選手の筋力や体力の強化、コンディショニングを担うトレーナーの存在も重要性を増しています。個人契約している選手も増えているでしょう。
そのなかで、より実力のあるトレーナーのもとに多くの選手が集まるようになり、結果として同じジムに色々な球団の選手が集まるようになってきているようです。
自主トレにかかる費用は、主催者が負担?
何人かで集まってハワイなど暖かい場所に住み込みで自主トレを行う選手が多いですが、宿泊費や食費、球場の施設料など様々な費用がかかります。その費用はどのように負担されているのでしょうか。
プロ野球選手は個人事業主なので、球団ではなく選手が負担することが基本です。そのなかで、グループで自主トレを行う場合、基本的には年長の選手が全て負担しているようです。
これだけ良くしてもらったら、若手としては活躍して恩を返したいところですね。
ちなみに、先輩や目標とする選手を自主トレをしたい若手選手はどのように連れていってもらっているのでしょうか。これに関しては、先輩自ら誘ってくれる場合もあれば、若手の方からお願いする場合もあるようです。他球団で面識がないけどどうしても一緒に練習したい場合、他の選手のツテなどから連絡先をゲットし、お願いすることもあります。
選手以外の方の給料や休日に使うお金も
自主トレはプロ野球選手以外にも、練習を手伝ってくれるスタッフやトレーナーなどを雇う場合もあり、それらの費用も年長の選手が負担してくれるようです。また、期間中毎日練習するわけではなく、休日のゴルフ等にかかる費用も負担するとのこと。
総額何百万にものぼる費用を負担してくれるのは、参加する選手からすれば感謝しかありませんね。
集団でなく、1人で練習するのも選択肢
ロッテOBで最近はYouTuberとして活躍している里崎氏は、いずれの場合のメリット・デメリットを整理してくれています。
結論、自律して1人でもやるべきことを行えるのであれば必ずしも集団で行う必要はない、としています。実際、里崎氏も1人で集中的に練習することも多かったようです。
「どんな練習をしたら良いか分からない」「1人だとどうしても甘えてしまう」「どうしても技術を参考にしたい選手がいる」といった選手は、やはりグループで練習した方が良さそうですね。
自主トレの練習メニュー
12月1月の期間は球団の管理下ではなく、各選手が自律的に練習を行う必要があります。この期間だからこそできる体力強化や筋力強化、徹底した基礎的な技術練習などを行う選手が多いようです。そのシーズンや中長期的に考えた際の目標から逆算して、必要な練習を行っていく感じでしょうか。
ベースとなる部分を鍛えつつ、技術的な部分はリセットできる期間でもあります。たとえば、バッティングを大きく変えるため、決めた期間は一度もバットを振らず頭の中でのイメージトレーニングだけに留める選手もいるようです。
新人選手は合同で自主トレを行う
ドラフト指名された新入団の選手は、年始から球団の寮に入り、球団の施設で合同自主トレを行うのが慣例となっています。
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